池井戸潤原作のドラマ『陸王』に学ぶ小説の書き方

この頃、日曜日の夜に楽しみにしているものがあります。

ドラマ『陸王』です。

役所広司さん演じる老舗足袋屋社長が、社運を懸けて未経験のスポーツシューズ製造に乗り出す。経営の逼迫した小さな会社が、資本に恵まれた巨大シューズメーカーを相手に奮闘する姿に引き込まれます。

今度の日曜日はもう最終回。終わってしまうのが残念でなりません。

原作の池井戸潤さんの小説は、あの『半沢直樹』を筆頭に、『ルーズヴェルトゲーム』、『下町ロケット』、『花咲舞が黙ってない』、『民王』等々、次々とドラマ化され、いずれも大きな反響を呼びましたね。

池井戸さんは、いま最も脂の乗っている作家の一人ではないでしょうか。

あいにく『陸王』の原作は読んでいないのですが、ものを書く立場でドラマを見ていて感心させられることがありました。

***

スポンサーリンク

***

このドラマは、単に老舗足袋屋の奮闘を描くだけでなく、もう1つ、その足袋屋のシューズを履くランナーの奮闘も描いて、本来は接点のない2人の物語を同時進行させていることです。

老舗足袋屋の再生という1本の線だけでストーリーが展開していたら、途中で内容が単調になって、飽きがくることもあるかも分かりません。

しかしもう1本、怪我をしたランナーが足袋屋のシューズと出合って立ち直っていくストーリーも並行して展開するので、物語に厚みが出て、観る者をなかなか飽きさせません。

しかも、単に2つのストーリーが並んでいるだけでなく、老舗の再生と怪我をしたランナーの再生、2つのストーリーが“再生”というキーワードでしっかりリンクしているので、1つのドラマとしてのまとまりもしっかりしています。

『陸王』はさらに、足袋屋社長の息子の成長や、一緒にシューズをつくっていく倒産社長との友情、苦楽を共にする従業員との輪、銀行との戦い、家族の絆等々、メインの2つのストーリーに付随するたくさんの人間ドラマも丁寧に描かれている。

小説を書く場合も、こういう複雑な構成を、1つの物語として破綻をきたすことなくうまく進行させていくのは、かなり力量が要ると思います。

私は、1つの単純なストーリーを描くだけでも四苦八苦(苦笑)。

池井戸潤さんの凄さを実感するとともに、もっと実力を養わなければと痛感させられました。

とにかく、今度の日曜日が楽しみです!

スポンサーリンク