北方謙三曰く、作家志望者よ、新人賞はただのスタートラインだ

以前、当ブログで、私の好きな作家・北方謙三さんのことに触れました。

20代の頃、書いても書いても作品が売れず、ボツになった原稿を積み上げたら背丈を超えたという北方さん。

先日来ご紹介している『ミステリーの書き方』(幻冬舎文庫)には、こんなお話が載っていました。

今新人賞に応募してくる人たちっていうのは、二本目、三本目の作品なんだ。それって何なんだ? そんなのは書いたうちに入らん(笑)。二十本、三十本書いて、ああ、やっと書きはじめたとなる。二百本、三百本書いて、ああ、やっとそこそこ書けるようになったんだと。そんな世界だと思うよ。

全51巻にも及ぶ大水滸伝シリーズをはじめ、膨大な作品を生み出してこられた北方さんだけに、説得力があります。

そしてその凄まじい執筆力の下地となったのが、背丈を超えるボツ原稿の山だったのですね。

新人賞っていうのはその年の応募者の一位を決めることだけど、一等賞決めたやつには、「あんたは作家なんじゃない、誤解するな、作家になるスタートラインに立っただけなんだ。で、作家になる可能性はある。でも、新人賞もらって消えたやつのほうがはるかに多いんだから」って必ず言うの。

私なんぞは以前、賞を取ればもう一流で、そこからバラ色の作家生活が始まると勘違いしていました(笑)。

賞を取るだけでも大変ですが、仮に取れたとしても、ただスタートラインに立っただけ。

大先輩の戒めをしっかりと心に刻んで、手を止めることなく書き続けなければ。

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