前回のリチブロで、汚れた思考をキレイに洗い流すことのできるヴィパッサナーという瞑想法を、テーラワーダ仏教のスマナサーラ長老のご著書をもとにご紹介しました。
●心の汚れをキレイにし、集中力を高めるヴィパッサナーという修行法
怒りや蔑み、高慢、嫉妬、不安などなどの汚れた思考が心に生じたら、「右足、左足、右足、左足・・・」と、心の中で体の動きを実況中継しながらしばらく歩くことによって、心が清らかになるというものでした。
気分転換のためのちょっとしたエクササイズ?
と思いきや、実はこれ、お釈迦様が悟りを開かれた修行法でもあるそうなんです。
このヴィパッサナーという瞑想法は、歩く時だけ行うわけではありません。
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例えば家の掃除をする時、「拭きます、拭きます」と実況中継しながら雑巾がけをする。
あるいは「掃除機をかけます、かけます」と実況中継しながら掃除機をかける。
そんなふうに、日常のあらゆることが修行の対象になってくるわけです。
私自身の普段の生活を振り返ってみると、歩く時にしろ、掃除をする時にしろ、たいていは他のことで頭をいっぱいにしながらやっています。
もう済んでしまったことをグチャグチャ考えたり、先のことをあれこれ心配したりして、自分がいまやっていることに身が入っていない。
いま、ここ
が、お留守になっているわけです。
だから掃除をやっても、必要以上に時間がかかったり、その割にはゴミが残っていたり・・・。
そんな感じで、何事も上の空でやっているから“凡人”なんでしょうね(笑)。
そんな私でも、ヴィパッサナーをちょっと実践しただけで、意外な効果を実感できるんです。
例えば朝の身支度。
早く出かけなければと焦ってやると、上着の袖に腕が引っかかってうまく通らなかったり、ボタンを掛け違えたりで、かえって手間取ってしまいます。
そんな時に、
「上着を取ります。腕を通します、通します」
「ボタンの穴を開きます。ボタンを持ちます。ボタンを通します、通します」
というふうに、一つひとつの動作をしっかり実況中継をしながらやると、ゆっくり身支度をしているのに、慌ててやるより何倍も早く身支度が整うから不思議です。
やっぱり心が落ち着いて、集中した状態でやるからなんでしょうね。
スマナサーラ長老は、この修行を熱心に続けていると、いつでも清らかな心でいられるようになる。世の中も人生も相当見えるようになり、だいたい1か月真剣に実践すれば、日本でも一流の人間になれるとまで書かれています。
“凡人”から脱出するためにも、性根を入れて取り組んでみたいと思います。
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