スマナサーラ長老の本『慈悲の瞑想』を読んでみた・その6

今回もテーラワーダ仏教・スマナサーラ長老の本『慈悲の瞑想』から、私の心に響いたフレーズをご紹介します。

慈悲の瞑想とは、誰でも簡単にできる瞑想法です。

スマナサーラ長老が仏典にもとづいてつくられたフレーズを繰り返し念ずることで、怒りや高慢、嫉妬、憎しみなどのネガティブな感情で汚れた心が、スッキリ、キレイに晴れて、穏やかになります

私も実践して、人生が大きく好転しました。超オススメです!

この『慈悲の瞑想』という本で長老が新たに公開された、「慈悲の瞑想のフルバージョン」は、これまでに紹介されていた慈悲の瞑想よりもかなり長いのですが、自分の心で感じやすいセットを選んで唱えてみるのもよいそうです。

実践を続けるうちに、自分が一番気に入るフレーズが見つかり、それが自分専用の慈悲の瞑想になるのだそうです。

というわけでリチブロでは、私の心に響いたフレーズを5回にわたってご紹介してきました。

●スマナサーラ長老の本『慈悲の瞑想』を読んでみた
●スマナサーラ長老の本『慈悲の瞑想』を読んでみた・その2
●スマナサーラ長老の本『慈悲の瞑想』を読んでみた・その3
●スマナサーラ長老の本『慈悲の瞑想』を読んでみた・その4
●スマナサーラ長老の本『慈悲の瞑想』を読んでみた・その5

そして今回ご紹介するフレーズはこちら。

***

スポンサーリンク

***

「東・西・南・北・上・下という六方に住む生命に対して、無限に、とどまること無く慈しみを育みます」

他者に対する温かい心、親切な思いが、どのくらいのスケールで周りに及んでいるか。

本書でフルバージョンを公開されるまでに長老が紹介されていた慈悲の瞑想、すなわち私も実践してきた簡易版の慈悲の瞑想は、まず自分の幸せを念じ、続いて自分の親しい生命の幸せを念じ、最後に生きとし生けるものの幸せを念じるというものです。

自分という小さな枠の中だけで幸せを願っていたところから、自分の親しい生命、さらには生きとし生けるものへと、慈しみの心を向ける対象を広げていく手順になっているわけです。

今回のフレーズでは、東・西・南・北・上・下という六つの方角に慈悲の心を放射していくわけですが、私もやってみたんですが、いきなり六方同時にやっていくのはなかなか難しいものです。

そこで長老は、まず「前」という1つの方角から始めることを勧めておられます。光を放射するイメージで、自分の前にいる無数の生命をイメージして、宇宙の果てまで進んでいく

同じ力で他の方向も順次やる。

そうやって1つの方向に力強く実践できるようになったら、今度は前後に一直線、左右に一直線というふうに、2方向をつなげ、それを4方向に増やし、最後に六方まとめて慈悲の心を放射していけるようにするとよいそうです。

私のような程度の低い人間は普段、自分の幸せのことしか考えていないわけですが(笑)、そういう狭量な心を、毎日慈悲の瞑想を実践することによって、少しずつ広げていくのです。

世の中にはいろんな立派な人がいますが、この人にはかなわないなと感じる人は、頭がいいとか、何かの能力が優れているとかいうよりも、自分より遥かに大きなスケール、高い視点で物事を見ている人のような気がします。

そんな人に相対すると、己のことばかりに汲々としている自分が、なんともまぁちっぽけな、つまらない人間に思えて、情けなくなります。

今年の大河ドラマの主人公である西郷隆盛という人なんかも、とてつもなく器のデカい人だったようですね。

その器の大きさの源泉は、自分の損得を顧みない、“無私”の精神にあったのではないでしょうか? それが人間的な大きさとなって、いまなお人々を魅了してやまないのではないかと思います。

逆に、最近の日本のリーダーたちが小粒に見えてしょうがないのは、自分の保身しか考えていない人が多いから?(笑)

慈悲の心を六方にあまねく放射するようなリーダーシップを期待したいところです。

長老は、慈悲の心を拡大すれば、日常生活は何のことなく、冗談、遊びのように思えてきます、と書かれています

小さなことにこだわらず、余裕しゃくしゃくで生きられるということでしょうか。

さらには、慈悲の瞑想を続けると、人格ができてくるので、すごい力が入ってきます。生き方が変わります。自分で進んでいかなくても、生命がみんな寄ってきて、助けてくれたり、いろいろお世話してくれたり、安らぎをいただけたり、いろいろなことが起こります。知らないうちに自分が人間の中でリーダー格になっているのです、とも書かれています。

すごいことになってしまうようです。

日々慈悲の瞑想の実践を通じて、そんな人間に少しでも近づいていきたいものです。

ちなみに、今回のフレーズに出てくる「東・西・南・北・上・下」という六方ですが、これ、長老の別の本にも出てきます。

長老の『成功する生き方 「シガーラ教誡経」の実践』 (角川文庫)という本がそうなんですが、この本では、東西南北上下の6つの方角を、両親、先生、家族、友人、雇い人、出家者に見立てて、それぞれにどう接するべきかというお釈迦様の教えを紹介されています。

両親、先生、家族、友人、雇い人、出家者というのは、自分を取り巻くすべての人間関係であって、それぞれに的確に接することができれば、人生で確実に成功できるというわけです。

自分を取り巻く人への向き合い方という点では、慈悲の心を向けていればまず問題ないでしょうね。まさに万能の心の姿勢というのが、慈悲と言えるのではないでしょうか。

慈悲の瞑想のフルバージョンの実践を通して、自分の周囲にあまねく慈悲の心を放射していけるような心を養っていきたいものです。

***

スポンサーリンク