スマナサーラ長老の本『慈悲の瞑想』を読んでみた・その2

前回のリチブロでは、スマナサーラ長老の新刊『慈悲の瞑想』についてご紹介しました。

●スマナサーラ長老の新刊『慈悲の瞑想』を読んでみた

この本で推奨されている慈悲の瞑想の「フルバージョン」は、これまで紹介されていた慈悲の瞑想・携帯版に比べ、かなり踏み込んだ内容になっている分、結構な長さになっています。

長老は、自分の心で感じやすいセットを繰り返し3回唱える。あるいは、自分の気に入ったセットを1つ2つ選んで唱えてみるのもよいと書かれています。

実践を続けるうちに、自分が一番気に入るフレーズが見つかり、それが自分専用の慈悲の瞑想になるんだそうです。

そこで、今回も私の心に響いたフレーズを1つ。

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私の心に響いたのは、

「私は今ここで、するべきことに集中します」

というフレーズでした。

以前、これもスマナサーラ長老がご著書で度々推奨されている、

ヴィパッサナー瞑想

についてご紹介した時にも記しましたが、私たちは普段、もう過ぎてしまったことでクヨクヨ悩み、まだ来てもいない未来のことをあれこれ心配して、頭の中は妄想でいっぱいになっています。

そのため、

いま、ここ

がお留守になっています。

私自身のことを振り返ってみてもそうなんですが、例えば、歩いている時も、身支度を整えている時も、頭の中はたいてい他のことでいっぱいになっているんですね。肝心の、いま自分のやっている行為には全然身が入っていない。

そんなふうに、何事も上の空でやっているから、上手くいかなくて、失敗ばかりしてしまうんだそうです。

禅には、

前後際断(ぜんごさいだん)

という言葉があります。

もう過ぎてしまったことや、これから先のことに心を煩わされるな。前後をスパッと断ち切って、いまここに集中せよ、という教えです。

素晴らしい教えだし、そんなふうに何事も身を入れて取り組めば、きっと立派な成果を上げることができるでしょうね。

できるんでしょうけど、それがなかなかできないから、私は“凡人”なわけです(笑)。

そうかぁ、前後際断かぁ、素晴らしい教えだなぁ。よっしゃ、いま、ここに集中するぞ!

・・・と、思っていても、気がついたら、「今日の昼メシは何食おうかな」とか、「きのう観たTVおもろかったなぁ」とか、他のことをとりとめもなく考えてしまっている

あるいは、昨日人から腹の立つことを言われたのを思い出して、ムカムカと怒りを蒸し返したり。

ちなみに、スマナサーラ長老の別の本には、

自分は特に悪いことをしてないし、毎日真面目にやっているのに、なんでこんなに次々トラブルに見舞われるんだろうという人は、自分では気づかないうちに、普段から頭の中でネガティヴな、汚れた思考をグルグル回転させている

といった趣旨のことが書かれていました。

問題の種は、自分がつくっているんだそうです。

「ヴィパッサナー」という瞑想法は、そんなふうに頭の中でグルグル回転して、自分を不幸にしてしまう汚れた思考を、断ち切ることに効果を発揮してくれます。

ヴィパッサナー瞑想をやってみると、いま・ここに集中する達人に近い境地に、私のような“凡人”でも、わりあいすんなり入れるんですよ。

ヴィパッサナー瞑想では、自分の動作を心の中で観察し、実況中継していきます。

例えば、歩く時には、「右足、左足、右足、左足・・・」と自分の体の動きを実況中継する。掃除をする時には、「拭きます、拭きます・・・」と実況中継しながら雑巾がけをする。

そうやって忙しく頭を働かせることで、妄想が生まれる余地をなくしていく。頭の中をグルグル駆け巡っている様々な妄想や、汚れた思考にストップをかけ、いま・ここに集中していくんです。

詳しいやり方は、スマナサーラ長老のご本に解説してありますし、こちらで指導を受けることもできますよ。

なんだか慈悲の瞑想ではなく、ヴィパッサナー瞑想の記事になってしまいましたが(笑)、慈悲の瞑想とともに実践して、「今するべきことに集中」できるように心を養っていきたいと思います。

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