先日ノーベル賞を受賞されたカズオ・イシグロ氏。
私は取材、執筆で必要な本こそたくさん読むものの、プライベートでは読書量が少なく、かつ、読書内容にかなり偏りもあるため、恥ずかしながらイシグロ氏のことを知りませんでした。
そこで、手に取ってみたのが
『わたしを離さないで』
通勤時間を利用して少しずつ読み進めましたが、胸を深くえぐられるような切ないお話でした。
映画やドラマにもなったので、すでにご存じの方も多いことと思いますが、内容は、ある施設で暮らす主人公キャシーとその友人たちの日常を回想するものです。
丹念に綴られていく彼女らの平穏な暮らしの中に、時折「おや?」と腑に落ちないものが垣間見える。得体の知れない不安感、焦燥感とともに、隠された真実が徐々に明らかにされていく展開は圧巻でした。
カズオ・イシグロ氏がノーベル賞に値する作家なのかどうかは、私には判断できませんが、『わたしを離さないで』は、私が今年読んだ本の中でも、とりわけ深く印象に残った作品の1つであることは間違いありません。
さっそくもう1冊、『日の名残り』も入手しました。
いまは暮れに向けて執筆作業もピークに入っていますが、なんとか年内に読了したいと思います。
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